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研修だけでは不十分!本を読もう!
教員には研修がたくさんあります。特に初任者研修は回数も時間も多くて本当に大変!初任者研修があるのに担任ももたされて、やることが山のようですよね……。
初任者のときは余裕がないかもしれませんが、残念ながら研修だけじゃ学級経営をしていくには不十分です。
研修というのは、一般的なことしか教えてもらえないので、自分の学校やクラスに置き換えたときに、必ずしも研修の知識が役に立つのかは別問題なんです。
学校やクラスによって状況は全然違うから、今の自分にはどんな指導が必要なのかを知った上で知識をつけるのが大切なんですよね。
私がそのことを痛感したのは、A市からB市に転任したとき……。A市で通用していたことが、B市では何も通用しなくて愕然としました。
A市で3年間働いていたときは、教員が前に立ったら子どもたちは話を聞いてくれるもんだと思っていました。
そんなに甘くはなかったんですよね……。
好き勝手に立ち歩く、話を始めても聞かない子、大きな声を出し続ける子……。
それまで私は、そこまで必死にならなくても学級経営ができてしまっていたので、大きな壁にぶち当たりましたね。
本当に辛い毎日でしたが、そんな私を救ってくれたのがこれからご紹介する本です。
学級経営におすすめの本
ほめ言葉のシャワー 菊池省三
B市に転任した私は、怒ってばかりでした。
「なんで話を聞いてくれないの」「なんでうるさくするの」「なんで立ち歩くの」
こんなイライラを子どもたちにぶつけていました。それでも全然うまくいかない。なんにも変わっていかない。研修で学んだことが何も通用しない。
私は、荒れた子どもたちを目の前に、どんなことをしたらよいのか分かりませんでした。
苦しかったです。
そんなときに出会ったのがこの本。菊池省三先生は、荒れた学級を立て直す先生として有名です。一筋縄ではいかない子どもたちを指導してきた先生の本を読んでみようと思いました。
この本には、怒ってばかりいた私のやっていることと逆のことが書いてありました。
「ほめるってこんなに大切なんだ」
と、気づかされた本です。
この本をきっかけに、少しずつ子どもたちの様子が変わってきたのを今でも覚えています。
子どもたちに指導が通らない状況に悩んでいる人には、とってもおすすめの本です!
菊池省三の「話し合い」指導術 小学生版 白熱教室のつくり方 菊池省三
こちらも菊池省三先生の本です。
よりよい学級経営を目指すには、教師と子どもたち、子どもたち同士の活発なコミュニケーションが必須です。
「ことば」を大切にした学級経営を進めてきた菊池省三先生のワザがたくさん詰まった本ですよ!
私は、クラスの中のコミュニケーションを活発にしたいと思ったときに、この本がとても役立ちました。
話す力や聞く力をつけるトレーニングとして、たくさんのミニゲームが紹介されています。楽しみながら、コミュニケーション能力を身につけさせることができますよ!
また、所々に、「教員が身につけておきたい力」も書かれていて、自分自身の振り返りができるのも◎。
学習指導におすすめの本
子どもが参加できる体育指導法の開発
指導がなかなか通らない子たちで苦労したのが、体育の授業。
もちろん、国語や算数などでも大変ですが、教室以外でやる体育の授業はそれはそれは大変でしたね。子どもたちが楽しいと思えないと、授業が成り立たないです。
子どもたちが楽しめるような授業の流れをしっかりと作って、パターン化してあげることで落ち着いて体育の学習に取り組めるようになりました。
この本は、教師の立ち位置やコートの作り方など、図や写真付きで説明してあるのでとても分かりやすいです。
そして、種目ごとや学年ごとに分けてたくさんの指導事例が出ているので、すぐにでも使える情報が満載ですよ!
子どもたちが熱中して、「楽しい!」と汗びっしょりになるような体育の学習をしたいですよね。
この本のシリーズには、ずいぶんお世話になりました!
歌唱・合唱指導のヒント こんなときどうする? 富澤豊
音楽専科がいない学校で、高学年に音楽を教えなくてはいけない……ピアノも弾けずに音楽が苦手な私は、高学年の音楽の授業がとてもハードルの高いものでした。
何を教えていいのか分からない、技術もない、でも授業をしなくてはいけない……
そんなときに出会ったのがこの本。
富澤豊先生は、教員向けにもよく講演や研修をしている有名な先生です。音楽が苦手でも、楽しみながら発声練習や表現の仕方を学ぶことができるんです。
富澤先生の研修を受けて、
「こんなに楽しく音楽を学ぶことができたら、子どもたちも嬉しいだろうな」
と、心から思いました。
この本には、発声練習や音程の取り方など、基本的なことを楽しみながら学習できるワザがたくさん載っています。
音楽が苦手な人でも、すぐに真似ができてありがたいです。
実際にクラスで試してみたところ、音楽が嫌いなヤンチャ坊主たちがノリノリで授業に参加していました。
音楽が苦手だけど、指導しなきゃいけないって思っている人にはピッタリの本です!
教員の仕事全般に役立つ本
教育技術 教育技術編集部
私が初任者のときは学校で注文していた雑誌です。学校に常にあったので、自然と目を通すことが多かったですね。
2校目では学校で注文していなかったので、個人で買っていました。
去年までは学年別になっていたのですが、今年から1・2年、3・4年、5・6年と、ふた学年で1冊のようです。
この雑誌は毎月発行されるので、タイムリーな特集があるのがありがたいですね。
教員になりたての人や、どんな教育本を読んでいいのか分からないって人におすすめです。雑誌の中にもおすすめの本が載っていますよ。
私も、教員になってから5年目くらいまではよく読んでいました。
まとめ
自分の学校やクラスの状況をよく分析し、自分に合った本を読もう!
「どんなクラスにしていきたいのか」「自分のクラスに足りないことは何か」
常に自分に問いかけつつ、今の自分の状況を助けてくれる本を見つけたいものですね。
私は、買って読んでみたものの、自分には合わなかったという本がメチャクチャたくさんありました。ただ、無駄ではなかったと思います。
たくさん読んだからこそ、
「自分の状況に合う方法があるんだ」「状況やその人のやり方に合わない方法もあるんだ」
ということを学ぶことができました。
今回は、厳選して5冊の本をご紹介しました。みなさんも、自分を助けてくれるような本が見つかるといいですね!